2021年02月26日(土)19時(55ー休20-55)
ジゼル/レオニード・ラヴロフスキー版
ジュール・ペロー、ジャン・コラーリ、マリウス・プティパの原振付による)

東京バレエ団
東京文化会館、4L

東京交響楽団
指揮:井田勝大

配役
ジゼル:沖香菜子
アルブレヒト:柄本弾
ヒラリオン:宮川新大
バチルド姫:政本絵美
公爵:ブラウリオ・アルバレス
ウィルフリード:南江祐生
ジゼルの母:奈良春夏
ペザントの踊り(パ・ド・ユイット):
金子仁美-樋口祐輝、中川美雪-生方隆之介、涌田美紀-池本祥真、足立真里亜-大塚卓

ミルタ:伝田陽美
ドゥ・ウィリ:二瓶加奈子、三雲友里加

IMG_0010
東バのジゼルは2004年以来。
当時は吉岡さんとマラーホフだった。
ジゼル、好きだけど全幕を数えるとやっと10回超えたくらい。意外と見ていなかった。

本命は土曜の明日の回。見てよかったら日曜も追加と思ったが、
土日分緊急事態宣言をうけて発売終了。
急ぎ今回金曜夜をゲット。これが大正解。見て良かった。

久しぶりのジゼル、なんだか冷静に見てしまったのもあってあまり涙腺は緩まなかった。
でもこれは見るべきだ、ここは素晴らしいというポイントがたくさんあって、
それでとても満足度が上がった。(スイマセン、ハードル上げてしまって)
最近バレエを見始めた友人がいるけれども、初心者こそ是非こういった完成されているものを
見るべきだと思った。緊急事態宣言なので遠慮されてしまって連れてこられなかった。惜しいなあ。

まず沖さん。全幕主役で見るのは初めてかも。頭が小さくてびっくり。
そして体弱そうなジゼルだった。村娘の時がよかった。
アルブレヒトを信じている無邪気で恥ずかしがり屋の娘。けなげだ。
ウィリはやや肉体を感じた。しかし、弾さんがリフトで抱き上げると
たちまち体重がなくなり、はかない精霊になるのであった。お二人にブラボー。

弾さん。1幕目、平民に変装しても隠し切れない高貴さ。
そして、これは一度は見てみたかった恋の遊びが本気になったパターンかも?
贅沢な悩みだが、いつもアルブレヒトはジゼルのことを本気で愛していたのだというのも
食傷気味だったので遊びが本気になるパターンもアリだと思うのだ。
でも死んだジゼルに取りすがった姿があれ?もしかして本気だった?それとも今本気になった?と
わかりにくく自分の落としどころにちょっと悩んだ。
2幕でいたぶられているときにビシバシ跳んで、アントルシャして
それがとても美しく力を出し切っていて迫力があって良かった。
あと、1幕目でのほほえみ!あの笑顔は負ける。推そうかな。。。

いつもは休憩時間だと思っているペザント。今回良かった!
特に男性陣、舞台狭しとジャンプ。4人がシンクロして躍動と美しさ両方堪能。

2幕のウィリ達。びしっと並んで冷たい美しさ。コールドの見本だ。
無表情に男どもをいたぶる様子はめちゃくちゃ怖い。
ミルタはちょっと感情がある感じ。
二人が踊っているのを見て忌々しい!とか怒っていそうだった。

ヒラリオンは熱い男だった。暑苦しいくらいだ。
ジゼルを死なせてしまうきっかけになっちゃうし、思いが届かず死んじゃうのも報われない。
ジゼルへのプレゼントが仕留めたカモ!(とお花)。ロマンスはないけど生活力はありそう。
でも女ごころはわからないだろうなー。
身分的にはこっちの方が現実的なんだよねー、とか思うとお話が進まないので封印。

おまけでブラウリオさんの公爵。西洋の時代物衣装がとてもよく似合っています!

席からはジゼルの墓が見えなかった。サイド席を取った自分が悪いのだが、ヤマを外した。
それ以外は視界快適。
この角度でジャンプの高さや迫力を感じたから土曜の1階席も楽しみだ。

結局ジゼルを何度でも見たくなるのは無償の愛のようなテーマもそうだけど、
見た目のシンクロの面白さなのではないかと今更気が付いたのであった。